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グランビルの法則で売買タイミングを読む
第三章 移動平均線を使いこなして売買タイミングを読む
グランビルの法則で売買タイミングを読む
移動平均線を使って売買タイミングを読む方法として、「グランビルの法則」が有名です。ここでは、グランビルの法則を紹介します。
買いの4の法則
「グランビルの法則」は、アメリカの投資関係のジャーナリストであったジョセフ・グランビル氏が発表したもので、株価チャートと移動平均線の動きの関係によって、買い/売りそれぞれ4つずつの法則があります。
買いの4つの法則は、表1のようになります。実線が株価で、点線が移動平均線です。株価と移動平均線がこれらの図のような関係になった時が買いのタイミングになります。
表1.グランビルの買いの法則
法則1
法則2
法則3
法則4
●
法則1
グランビルの法則の1番目は、
株価が底を打って上がり出した時に買う
、というものです。移動平均線がしばらくの間下落した後、向きが上向きに変わりつつある状態になったあたりで、移動平均線を株価が上に抜いた時が、買いのタイミングになります。買いの4つの法則の中で、最も重要なものです。
●
法則2と法則3
2番目と3番目の法則は、押し目買いをするためのものです。
株価は 1本調子で上昇することは少なく、通常は押し目をつけながら、上昇していきます。その際、上昇中の移動平均線に向かって株価が下がった後、株価が移動平均線をいったん割り込んでから反発したり、割り込む手前で反発したりします。
したがって、株価がこのような動きをしたら、押し目買いのタイミングが来たと判断します。
●
法則4
4番目の法則は、
株価が移動平均線から大きく下に乖離(かいり)した時に買う
、というものです。株価は時として急落することもありますが、その後にリバウンドして上昇することもよくあります。そこで、株価が大きく下がった時を狙って買い、リバウンドを取って儲けるというのが、この法則の考えです。
なお、「どの程度乖離したら買いなのか」ということを残念ながら明示されていません。個々の銘柄について、過去の株価のデータや市場の状況などから「このぐらいまで乖離したら戻るだろう」という推測を立てて、それで買いを判断する方法が考えられます。これは乖離率という指標を使って判断します。
もっとも、法則4での買いは法則1〜3に比べるとリスクが高いので、積極的にはお勧めしません。資金に余裕があって、少々失敗しても大丈夫という方でないと難しいでしょう。
買いの法則の例
それでは、実際のチャートでグランビルの買いの法則を見てみることにしましょう。ここでは、沖電気(6704)の2002年7月〜2005年5月の週足チャートと、13週移動平均線との組み合わせで、グランビルの買いの法則を見てみます(画像1)。
2003年1月の1は動きがゆるやかになった移動平均線を、株価が下から上に抜いて上がりだしたところで、法則1がでています。その後に一時的には株価が下落していますが、さらにその後には株価も移動平均も上向きに変わり、上昇のきっかけになっています。
2004年10月の2も、法則1が出ている箇所です。1と比べると、株価が勢い良く移動平均線を上に抜いていて、その後も株価が上昇傾向です。ただ、2002年10月〜2004年3月にかけて株価が大きく上がった後ですので、2の後の上昇幅はあまり大きくなっていません。
2003年5月の3は、株価が移動平均線をいったん下に抜け、再度上に抜けているところで、法則2が出ています。その後、2003年10月のピークまでで株価は2倍近くまで伸びていて、絶好の押し目買いのタイミングだったことがわかります。
3の後に、2003年8月の4や2003年10月の5でも買いの法則2の形が出ています。しかし、株価がだいぶ上がった後ですので、その後の株価の上昇幅は小さくなっています。このように、同じ法則2であっても、底値に近い位置ででているか、株価が大きく上がってから出ているかで、その後の株価の伸びは違います。
2004年2月の6は、株価が移動平均線の手前まで下がって、その後反発したところで、法則3が出ています。ただ、2002年10月の高値に近い位置で法則が出ているため、株価はあまり上がらずに終わっています。
2003年11月の7と2003年12月の8は、株価が移動平均線から下に大きく乖離したところで、法則4が出ています。8の後に株価は急反発して、短期間で3割ほど上昇しています。一方、7の後はわずかな上昇で株価が再度下落しています。
このように、株価が移動平均線から大きく下に終わってしまうこともあります。
画面1.買いの法則の事例
(沖電気の2002年7月〜2005年5月の週足)
売り4の法則
売りにも 4つの法則があり、表2のような動きになります。株価と移動平均線の関係がこれらの図のようになったら、売りのタイミングと考えます。
表2.グランビルの売り法則
法則1
法則3
法則2
法則4
●
法則1
売り法則の1番目は、
株価が天井をつけたことを確認して売る
ための法則です。買いの法則の1番目のちょうど逆になります。
株価が上昇している間は移動平均線も上昇していますが、株価が天井をつけて下がりだすと、移動平均線の方向が徐々に変わって、横ばいもしくは下向きになってきます。その状況で株価が移動平均線の下に抜けた場合、上昇が終わったと判断して、売りのタイミングになります。
この法則が出た時点で売れば、天井から株価がやや下がったあたりで売ることができますので、利益は 大きくなります。売りの4つの法則の中では、これが最も重要だと言えるでしょう。ただし、下落が一時的に終わって、この法則が出た後で株価が再度上昇することもあります。
●
法則2と法則3
売りの法則の2番目と3番目 は、
株価が一時的に戻ったところで売る
ための法則です。それぞれ、買い法則の2番目/3番目の逆になります。
株価が下がる際には、一本調子に下がらずに、一時的に戻ることがよくあります。その際に、株価が移動平均線の上まで上昇して下落したり、移動平均線の手前まで上昇してその後失速して下落することもよくあります。
このような時は売りタイミングになりますが、それを見つけるのが2番目と3番目の法則です。
持っている株が値下がりしたものの、法則1のタイミングで売りそこなった場合は、これらの法則が出た時点で売っておくようにするべきです。
●
法則4
株価が急騰 することもありますが、その後には急落することも多いのです。法則4は、その
急落するタイミングを狙って売る
というものです。株価が急騰すると、移動平均線から大きく上に離れることになりますので、その離れ具合を見て売りを判断します。
ただし、「どのくらい乖離したら売りか」ということは、買いの法則4と同様、明らかにされていません。この方法で売りのタイミングを見つけるのはなかなか難しいものです。
「かなり乖離したからそろそろ売ろう」と思って売ると、そこからまだまだ上昇することも結構あります。そうかと思えば、たいして乖離していないにもかかわらず、株価が下がりだしてしまうかこともあります。
売りの法則の例
それでは、売りの法則の事例も見て見ましょう。ここでは、牧野フライス製作所(6135)の2003年7月〜2005年4月の週足チャートと13週移動平均線を組み合わせて、売りのタイミングを見てみます(画面2)。
まず2004年7月の1ですが、株価が移動平均線を下に抜き、また移動平均線の向きも下向きに変わっていて、法則1が出ています。その後株価はしばらく下落が続いていることがわかります。
一方、2003年11月の2も1と同様に法則1が出ているポイントです。ただ、株価の下落は短期間で終わり、再度株価が上昇に転じています。このように、株価が法則どうりに動かずに、ダマシになることもあります。
次に2004年11月の3ですが、下降中の移動平均線を株価がいったん上に抜き、次週には再度下に抜けた形で、法則2が出ています。ただ、この後の株価下落は短期間で終わっています。2004年9月の4は、下校中の移動平均線の手前まで株価が反発して、その後再度下落した形で、法則3が出ています。
その後もしばらくは株価の下落が続いています。そして2004年4月の5は、移動平均線から株価が上に大きく乖離して下落に転じた形で、法則4になっています。
なお、この例では5の点で株価がピークを迎えていて、そのまましばらく下落する形になっています。ただ、法則4が出たからといって、必ずしも株価がピークになるとは限りません。その後の状況によっては再度上昇することもあります。
画面2.売りの法則の例
(牧野フライス製作所(6135)の2003年7月〜2005年4月の週足)
ゴールデンクロスとデッドクロスは参考程度
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目次
第一章 「買える株」「買えない株」を見極める
■
ファンダメンタル分析とテクニカル分析
■
会社四季報の基本的な見方
■
売上や利益の伸びている銘柄を選ぶ
■
財務の悪い銘柄は買わない
■
成長中で株価収益率(PER)が狙い目
■
経営効率の良い銘柄を選ぶ
■
株価純資産倍率(PBR)も目安にする
■
買収ターゲットになりそうな銘柄を探す
■
さまざまな要因を考慮して銘柄を選ぶ
■
スクリーニングで良い銘柄を見つける
第二章 株価チャートの基本をマスターする
■
株価チャートの見方
■
一本のローソク足の意味とタイミング
■
複数本のローソク足の組み合わせと売買タイミング
■
株価と出来高の関係
■
株価の傾向(トレンド)と抵抗線/支持線
■
株価チャートのパターン
第三章 移動平均線を使いこなして売買タイミングを読む
■
移動平均線はテクニカル分析の基本
■
グランビルの法則で売買タイミングを読む
■
ゴールデンクロスとデッドクロスは参考程度
■
移動平均の最適な計算時間を選ぶ
■
株価と移動平均線との離れ具合
第四章 着実に賢く儲ける基本戦術
■
「リスク」をなるべく軽減する
■
株式ポートファリオを組む
■
勝ち負けの差を小さくする
■
トレンドに沿って売買する
■
値動きの良い銘柄を選ぶ
■
短期売買と長期投資のどちらが良い
■
得意な銘柄を作る
■
損切りできない人は儲けられない
■
逆指値を使いこなそう
■
税金対策を考えてみよう
■
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