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株価と移動平均線との離れ具合
第三章 移動平均線を使いこなして売買タイミングを読む
株価と移動平均線との離れ具合
売買タイミングを計るには、移動平均線だけではやや不足があります。他の指標も組み合わせることで、より売買タイミングをつかみやすくなります。その中で比較的単純なものとして「乖離率」という指標があります。
乖離率の計算方法
乖離率は、株価が移動平均線からどれだけ離れているかを表す指標です。以下の式で計算します。
乖離率=(株価ー移動平均)÷移動平均×100(%)
例えば、ある日(ある週/月)の株価が520円で、その日(週/月)の移動平均が500円だとすると、乖離率は以下のように計算します。
乖離率(%)=(520円−500円)÷500円×100=4(%)
この例では乖離率はプラスの数字ですが、株価が移動平均より低いと、乖離率はマイナスの数字になります。例えば、株価が480円、移動平均が500円だと、以下のように乖離率は−4%になります。
乖離率(%)=(480円−500円)÷500円×100=−4(%)
移動平均の計算期間は、移動平均のものと同じにします。例えば、週足チャートに13週移動平均線を入れている場合、乖離率も13週移動平均線と株価とを使って計算します。
乖離率の情報は、証券会社のサービスや、テクニカル分析ソフトなどを使うと簡単に見ることができます。一般的には、株価チャートと乖離率が一緒に表示されますので、株価と乖離率の関係を見ながら売買タイミングを考えることができます。
株価と乖離率の関係
株価が移動平均線と同じであれば、乖離率はちょうど0%になります。また、株価が移動平均線より上にあれば乖離率はプラスの値になります。そして、株価が移動平均線よりも下にあれば、乖離率はマイナスの値になります。
また、
株価が急激に上がる
と、株価は移動平均線から大きく上に離れますので、乖離率も
プラスの大きな値
になります。一方、
株価が急落する
と、乖離率は
マイナスの大きな値
になります。以上のことから、株価の動き方と乖離率の動き方は、ある程度連動することになります。
乖離率の散らばり具合を見る
株価は細かく上下し、移動平均の上に出たりします。ただ、長期的に見れば、株価が移動平均線から大きく離れることは少なく、移動平均線に近いところで上下することが多いのです。
したがって、乖離率も極端に大きな値になることは少なく、
0%に近い値を取ることが多くなる
と考えられます。ただ、分布の幅は移動平均の計算期間を長くすると大きくなり、また、値動きの激しい銘柄ほど分布の幅が大きくなります。
図A.日経平均株価とソニーの乖離率の分布の比較
乖離率とグランビルの法則を組み合わせる
ここまで乖離率の性質を見てきましたが、グランビルの法則と乖離率を組み合わせることで、売買のタイミングをはかることも考えられます。
グランビルの法則のうち、買い/売りの法則4は、「株価が移動平均線から大きく乖離したら(売り)」というものでした。ただ、「移動平均からどれだけ乖離したら買い(売り)と判断するのか」ということがはっきりしません。
前節でお話したように、株価が移動平均線から大幅に離れると、乖離率が大きくなります。そこで、乖離率が何%以上になったら売るというように決めれば、売買のタイミングを明確にすることができます。
●乖離率が極端に上がったら売る
図Aからわかるように、乖離率は極端に大きな値を取ることはあまりありません。言い換えれば、株価が移動平均線から極端に離れることはあまりないのです。そのような状況になったら、「これは株価が行き過ぎている」と判断して、とりあえず売って利益を確定した方が良いでしょう(図1)。
例えば日経平均株価の場合、図Aから13週移動平均線から乖離率が+10%を越えることが少ないことがわかります。したがって、そのような状況になったら、売って利益を鑑定する方が良いと考えられます。
また、「乖離率が10%を越えることが少ない」ということは、10%より低い乖離率で株価上昇が止まってしまうことも多いことを意味します。したがって、乖離率が10%を越えるのを待たずに、「腹八分目」で利益を確定することも考えられます。
ただ、この「10%」は日経平均株価での話しで、個別銘柄では値動きが違います。したがって、個別銘柄で考える場合は、その銘柄の乖離率の分布を見て、売るタイミングを考えるようにする必要があります。
●
乖離率が極端に下がった時の買い
前述したように、株価が急激に下がると、乖離率がマイナスの大きな値になります。しかし、株価が急落した後には反発(リバウンド)することも多いので、乖離率で急落の度合いを判断して、そのタイミングで買うということも考えられます(図2)。
ただ、実際にやってみると、これは結構難しいものです。というものも、「そろそろリバウンドするだろう」と思って買いを入れると、そこからさらに下がってしまうこともよくあるからです。
「乖離率がマイナスの大きな値になった」という条件だけでは、リバウンド狙いの買いを行うにはリスクが大きいので、その他の指標も考慮する必要があります。
図1.乖離率がプラスの大きな値になったら売る
図2.乖離率がマイナスの大きな値になったら買う
「リスク」をなるべく軽減する
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目次
第一章 「買える株」「買えない株」を見極める
■
ファンダメンタル分析とテクニカル分析
■
会社四季報の基本的な見方
■
売上や利益の伸びている銘柄を選ぶ
■
財務の悪い銘柄は買わない
■
成長中で株価収益率(PER)が狙い目
■
経営効率の良い銘柄を選ぶ
■
株価純資産倍率(PBR)も目安にする
■
買収ターゲットになりそうな銘柄を探す
■
さまざまな要因を考慮して銘柄を選ぶ
■
スクリーニングで良い銘柄を見つける
第二章 株価チャートの基本をマスターする
■
株価チャートの見方
■
一本のローソク足の意味とタイミング
■
複数本のローソク足の組み合わせと売買タイミング
■
株価と出来高の関係
■
株価の傾向(トレンド)と抵抗線/支持線
■
株価チャートのパターン
第三章 移動平均線を使いこなして売買タイミングを読む
■
移動平均線はテクニカル分析の基本
■
グランビルの法則で売買タイミングを読む
■
ゴールデンクロスとデッドクロスは参考程度
■
移動平均の最適な計算時間を選ぶ
■
株価と移動平均線との離れ具合
第四章 着実に賢く儲ける基本戦術
■
「リスク」をなるべく軽減する
■
株式ポートファリオを組む
■
勝ち負けの差を小さくする
■
トレンドに沿って売買する
■
値動きの良い銘柄を選ぶ
■
短期売買と長期投資のどちらが良い
■
得意な銘柄を作る
■
損切りできない人は儲けられない
■
逆指値を使いこなそう
■
税金対策を考えてみよう
■
リバウンド狙いの短期勝負
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■
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