株式投資では儲かる(勝つ)こともあれば損する(負ける)こともありますが、その差をなるべく小さくしたいものです。それについて考えてみます。
まず、10万円の資金があるものとして、以下の3つの例を考えてみましょう(図1)。これらの3つの中で、最終的に最も儲かるのはどれでしょうか?
ただし、儲けは再投資するものとします。例えば、Aの例だと、1年目では5,000円儲かって資金が105,000円になりますが、2年目はその105,000円すべてを再度投資します。
A:毎年5%ずつ利益を出す
B:1年おきに、20%の利益の年と、10%の損失の年がある
C:1年おきに、40%の利益の年と、20%の損失の年がある
図1.3つの利益率の動きの例
A、B、Cどれも同じになりそうに見えるかも知れません。また、人によっては、「Cは儲けの大きい年があるから、最終的には儲かるのではないか」と思うかも知れません。ところが、このどちらの考え方も間違いです。
例えば、Aの利益が最終的にいくらになるかを計算してみましょう。1年目は5%の利益なので、1年目が終わった時点での資産は、元本に利益の5,000円(=10万円×5%)を足した105,000円になります。2年目は、このお金に対して5%の利益が出るので、2年目終了時点の資産は10,5000円+105,000円×5%=110,250円になります。
この手順を繰り返して、Aの場合の6年目終了時点の資産を計算すると、134,010円になります。また、同様の手順でBとCの6年目終了時の資産を計算すると、それぞれ125,971円/94,119円となり、Aが最も儲かることがわかります。
Cにいたっては、儲かるどころか損になっています(表1)。
また、仮に同じペースで売買を続けられたとして、長期的に資金の推移を見てみると、図2のようになり、さらに差がつくことがわかります。
このように、足して平均した利益率が同じであっても、各年の利益率のばらつきが大きいほど、最終的な儲けは少なくなります。勝ち負けの差を少なくしてコンスタント儲け続けることが、勝利への近道です。
ちなみに足して平均した利益率が同じなら、最も儲かるのは、各年のばらつきがまったくない場合です。
表1.各例の資産の推移
|
年 |
A |
B |
C |
|
1
|
105,000円 |
120,000円 |
140,000円 |
|
2 |
110,250円 |
108,000円 |
98,000円 |
|
3 |
115,763円 |
129,600円 |
137,200円 |
|
4 |
121,551円 |
116,640円 |
96,040円 |
|
5 |
127,628円 |
139,969円 |
134,456円 |
|
6 |
134,010円 |
125,971円 |
94,119円 |
図2.長期的な資金の推移
では、コンスタンスに儲け続けるには、具体的にどうすればよいのでしょうか?
●分散投資する
もっとも重要なことは、分散投資を行うことです。分散投資をすることで、資金全体の変動を抑えることができ、コンスタントな動きに近づけることができます。
●値動きの激しい銘柄を割ける
資金面などの問題で分散投資が難しい場合は、値動きの激しい銘柄をなるべく避けるようにします。東証一部銘柄で出来高がある程度多い銘柄であれば、株価が極端な動きをすることはそうありませんので無難です。
その他の市場の銘柄は出来高があまり多くないので、なんらかの原因で株価が大きく飛ぶことがあります。また、売ろうと思っても、出来高が少なすぎてうれないこともあり、コンスタントに儲けるのが難しくなります。
特に、JASDAQやマザーズなどの銘柄の株価を読むのは、テクニカル分析をしてもなかなか難しいと言えます。
無難な銘柄にするとリターンは小さくなってしまいますが、あまりリスクを取りに行くと失敗した時の損失が大きくなります。そうなると、前述のように最終的な利益が少なくなってしまいます。
特に、短期売買が好きな人は、値動きの激しい銘柄を売買して、短期間で儲けようとされているのではないかと思います。確かにそれが成功し続ければ、短期間で大きく資金を増やすことができます。
しかし、成功と失敗を繰り返していると、先ほどの図3のように、いつの間にか資金が減っていくことになりがちです。さらに、値動きの激しい銘柄は、持っていると精神的にハラハラすることになり、判断を誤る元になりやすいのです。こういった面からも、値動きの激しい銘柄はあまりお勧めしません。
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