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第一章 「買える株」「買えない株」を見極める
 

経営効率の良い銘柄を選ぶ
株価を決める要素として、「経営の効率が良いかどうか」という点も重要です。それを指標として、株主資本利益率(ROE)や総資産利益率(ROD)などがあります。

株主資本利益率(ROE)と総資産利益率(ROA)の計算
株主資本利益率は、企業が純資産(資本)をどれだけ効率よく利用して利益を上げているかどうかを表す指標です。英語では「ROE」(return on equity)といいます。ROEは以下のように計算し、単位は%です。

ROE=当期純利益÷純資産×100(%)

また、当期純資産/純資産とも1株あたりの値に変えて、以下のように計算することもできます。

ROE=1株あたり利益÷1株あたり純資産×100(%)


一方、総資産利益率は、企業が総資産をどれだけ効率よく利用しているかを表す指標です。英語では「ROA」(return on asset)といいます。計算方法は以下の通りで、単位はパーセントです。会社四季報では、ROAの分子の利益として当期純利益が使われています。

REA=利益÷総資産×100(%)

例えばある企業の当期純利益が100億で、純資産が1000億、総資産が2000億だとすると、ROEとROAは以下のように計算できます。

ROE=100億÷1000億×100=10(%)


ROA=100億÷2000億×100=5(%)


ROEやROAの情報は、Yahoo!ファイナンスや、証券会社の情報サービスなど、インターネットを使って入手することができます。

なお、ROEやROAの分子は年間の利益ですので、分母の総資産や純資産もそれに対応させて、期中平均(期首と期末の平均)を使うのが一般的です。

ROE/ROAの見方
ROEやROAは、企業が手持ちの資産を有効活用しているかどうかを表します。 ROEやROAが高い場合、少ない資産で多くの利益を上げていることを表しますので、効率的な経営が行われていることになります。つまり、買うならROEやROAが高い企業の方が良いと考えられます。

理想を言えば、ROEは20%以上、ROAは10%ぐらいが望ましいでしょう。しかし、日本の企業の場合、優良企業でもROEは10%程度、ROAは5%程度のところが多くなっています。

もっとも、ある年に一時的な利益が出た場合、その年だけROEやROAが上がることになり、それでは問題です。数年程度の業績からROE/ROAを計算して、安定して高い値を出しているかどうかを調べるようにします。

ここ数年はROEが重要視されるようになっています。大口の投資家(機関投資家)が、企業に対して「効率良く経営すること」を要求するようになり、その指標としてROEが使われることが多くなっています。それに対して、「ROEを10%以上にすることを目指す」といった経営目標をあげることも増えています。

このような中でなかなか上がらないような企業は、努力が足りないか、あるいは現在の投資家の動向をよく把握していないことが考えられますので、投資するべきではないでしょう。

なお、企業によってはROEの推移をグラフ化して、ホームページ等で公開しているところもあります。そのような企業は、ROEに対してある程度意識を持っていると考えられるでしょう。

新興企業はROE/ROAが高め
バブル崩壊以降の日本の企業は、需要に対して供給能力が大きすぎるという「過剰設備」に悩まされてきました。また、有効活用していない不動産等を多く保有しているという問題もありました。これらの問題を解決するために、過剰設備を廃棄したり、無駄な不動産を売却するなどする動きが進みました。

設備や不動産は資産の一部ですので、それらを持て余し手いる状態では、資産の割りに利益が少なくなります。そのため、ROEやROAは低くなります。実際、日本企業のROE/ROAは、アメリカの企業に比べると低い傾向があります。

一方、ここ数年で成長した企業は、比較的少ない設備投資で利益を出しているところが多く、ROEやROAは高い傾向があります。ただ、成長中の企業は経済環境が変わると業績が急落することもあり、株価の動きが読みにくいものです。

したがって、単純にROEが高いからといって、それだけで投資対象かどうかを決めるのは早計です。

自社株の消却
ROEを上げるには、分子の利益を増やすか、分母の資本を減らすか、あるいはその両方を行うことが必要です。このような中で、「自社株の消却」も一般的になりました。

自社株の消却とは、企業が利益などから自社の株を買い戻して消却し、発行済み株式数を減らすことです。それによって資本が減り、1株あたりの価値も高まり、ROEも上昇します。さらに、需要も改善しますので、株価上昇に寄与することが多いのです。

ここ数年、体力があって、かつ株価を意識する企業は、自社株の消却を積極的に行ってきた傾向があります。そのような企業も、投資対象としては良いとおもわれます。
                                     株価純資産倍率(PBR)も目安にするはこちらへ
 
目次
第一章 「買える株」「買えない株」を見極める
ファンダメンタル分析とテクニカル分析
会社四季報の基本的な見方
売上や利益の伸びている銘柄を選ぶ
財務の悪い銘柄は買わない
成長中で株価収益率(PER)が狙い目
経営効率の良い銘柄を選ぶ
株価純資産倍率(PBR)も目安にする
買収ターゲットになりそうな銘柄を探す
さまざまな要因を考慮して銘柄を選ぶ
スクリーニングで良い銘柄を見つける

第二章 株価チャートの基本をマスターする
株価チャートの見方
一本のローソク足の意味とタイミング
複数本のローソク足の組み合わせと売買タイミング
株価と出来高の関係
株価の傾向(トレンド)と抵抗線/支持線
株価チャートのパターン

第三章 移動平均線を使いこなして売買タイミングを読む
移動平均線はテクニカル分析の基本
グランビルの法則で売買タイミングを読む
ゴールデンクロスとデッドクロスは参考程度
移動平均の最適な計算時間を選ぶ
株価と移動平均線との離れ具合

第四章 着実に賢く儲ける基本戦術
「リスク」をなるべく軽減する
株式ポートファリオを組む
勝ち負けの差を小さくする
トレンドに沿って売買する
値動きの良い銘柄を選ぶ
短期売買と長期投資のどちらが良い
得意な銘柄を作る
損切りできない人は儲けられない
逆指値を使いこなそう
税金対策を考えてみよう
リバウンド狙いの短期勝負
 
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