リスクを取ってでも儲けを狙うなら値動きの良い銘柄を選ぶことが必要になります。その選び方について解説します。
値動きの良し悪しは、他の銘柄との値動きの違いを比較してみるとわかります。基準になる期間を決めて、その最初と最後の日の株価を比較してみると良いでしょう。
ここで注意したいのは、値動きを「値幅」でみるのではなく、利益率で見るということです。値幅が大きくても利益率が小さいと儲からないことになりますので、利益率が重要です。
例えば、A,B,Cの3つの銘柄があって、A社は200円から500円、Bは1,000円から1,500円、Cは5,000円から6,000円に値上がりしたとしましょう。値幅と利益率をそれぞれ計算してみると、表1のようになります。値幅で見るとA→B→Cの順に大きくなっていますが、利益率で見るとC→B→Aの順です。
表1.値幅と利益率の計算結果
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株価の変化 |
値幅 |
利益率 |
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A |
200円→500円 |
500円−200円=300円 |
300円÷200円×100=150% |
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B |
1,000円→1,500円 |
1,500円−1,000円=500円 |
500円÷1,000円×100=50% |
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C |
5,000円→6,000円 |
6,000円−5,000円=1,000円 |
1,000円÷5,000円×100=20% |
かつては、 発行済み株式の大小によって、銘柄を「小型株」「中型株」「大型株」のように分類することが行われていました(表2)。
大型株は発行済み株式数が多く、出来高も多いため、少々の売買では株価が変化せず、値動きは比較的ゆっくりになりやすいのです。
一方、中型株や小型株は出来高が少なく、少しの売買で株価が大きく変動することがあります。つまり、大型株よりも中型株/小型株の方が値動きが大きく、値上がりする時には大きな儲けを得られる可能性が高くなります。
もっとも、ここ数年は、大型株でも値動きの激しいものが増える傾向が見えます。かつては大型株は企業同士の持ち合いが多く、株価が少し上がると持ち合い解消売りが少なくなったことや、景気回復で業績が大きく改善したことなどから、株価の動きが良くなってきました。
例えば、鉄鋼株は大型株の代表格ですが、以前の値動きはそれほど大きくありませんでした。しかし、2003年以降の景気回復局面では、世界的な鉄鋼需要の増大で業績が急回復したこともあって、大きな株価上昇を見せています。
2003年4月末(日経平均株価がバブル後最安値をつけた頃)と、2006年1月末の株価を比較してみると、表3のようになっています。特に、株価が2桁まで落ち込んだ銘柄は、値上がりが大きくなっています。
表2.かつての小型株/中型株/大型株の分類
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分類 |
発行済みの株式数 |
| 小型株 |
6,000万株未満 |
| 中型株 |
6,000万株以上2億株未満 |
| 大型株 |
2億株以上 |
表3.鉄鋼株の株価の動き
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銘柄(証券コード) |
2003年4月末(円) |
2006年1月末(円) |
伸び率 |
| 新日本製鉄(5401) |
231 |
434 |
1.88倍 |
| 住友金属工業(5405) |
53 |
476 |
8.98倍 |
| 神戸製鋼所(5406) |
71 |
402 |
5.66倍 |
| 日新製鋼(5407) |
75 |
399 |
5.32倍 |
| JFEホールディングス(5411) |
1,437 |
4,210 |
2.93倍 |
短期的に 値動きの良い銘柄を探すには、「β(ベータ)値」という指標を利用する方法があります。β値とは、日経平均株価などの指標と個別銘柄の値動きを比較して、個別銘柄の値動きが指標の何倍になっているかを表すものです。
β値が1の場合、指標と同じ値動きをすることを意味します。そして、β値が1より大きいほど、指標に対して値動きが大きいことを意味します。
例えば、日経平均株価に対して銘柄Aの株価のβ値が1.5%だとします。この場合、日経平均株価が10%動くと銘柄Aの株価は15%(=10%×1.5)動くと推測されます。したがって、β値の大きい順に銘柄を検索すれば、値動きの良い銘柄を見つけられることになります。
証券会社のスクリーニングサービスを利用すれば、β値で銘柄を並び替えて出力することができます。
ただし。β値が高い銘柄は、株価が上がるときの値動きが良いだけでなく、下がるときも指標以上に下がることを意味します。
市場全体が好調な間は良いですが、市場全体が不調になると大きく値下がりするリスクがあります。
また、β値は他のテクニカル指標と同様に、これまでの株価の動きから計算されています。そのため、これらの点に注意する必要があります。
値動き が良い銘柄は、上がり方が大きい一方、下がり方も大きくなる傾向があります。つまり、「リスクが高い」ということになります。儲けたり損したりの幅が広くなると、最終的にはあまり儲かりません。
ただ、コンスタントに儲けたとしても、平均の利益率が低ければ、最終的にはたいして儲かりません。例えば、毎年コンスタントに3%ずつ儲けるのと、1年おきに15%と−5%を繰り返す(平均5%)のとでは、後者の方が最終的には儲かります。このようなことから考えると、儲けるには、ある程度は値動きの良い銘柄を選ぶことも必要だと言えます。
しかし、値動きが激しすぎる銘柄を選ぶと、失敗した時に大損してしまい、それまでの儲けが吹っ飛んでしまうことも多々あります。
例えば、かつてのネットバブルの崩壊の頃、ソフトバンクや光通信は買い手がまったくいなくなり、売るに売れない状況で株価だけが下がって、大損してしまった人がたくさんいました。最近では、2006年初頭のライブドアがこのようなケースに該当します。このような銘柄は、避けたほうが良いでしょう。
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