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トップ成長中で株価収益率(PER)が狙い目

第一章 「買える株」「買えない株」を見極める
 

成長中で株価収益率(PER)が狙い目
ファンダメンタル分析ではよく使う指標がいくつかありますが、その中で特にポピュラーな「PER」での銘柄選びについて解説します。

PERの計算方法
株価収益率(PER:price earnings ratio)は、株価と利益の関係を表す指標です。PERは以下のように計算し、単位は「倍」です。

PER=株価÷1株あたり利益

PERは株価を1株あたり利益で割ったものですので、株価が1株あたり利益の何倍まで買われているかを表すことになります。例えば株価が1000円で1株あたり利益が50円の企業の場合、PERは以下のように計算します。

PER=1000円÷50円=20倍

株式投資は将来を予想して行うことが一般的ですので、PERで使う1株あたり利益は、過去のものではなく、今期利益や来期以降の予想利益を使うのが一般的です。予想利益を使った場合は、予想PERと呼びます。一方確定している利益を使う場合は、実績PERと呼びます。

なおPERは通常「ピーイーアール」と読みます。

PERの調べ方
PERを調べるには、前述の計算式で自分で計算しても良いのですが、インターネットで情報を得る方がずっと簡単です。Yahoo!ファイナンスなどの一般の情報サービスや各証券会社の情報サービスなどで、PERをはじめ、この後の節で紹介するPBR/ROE/ROAといった情報も見ることができます。

PERの意味と見方
PERが高い企業は利益がそれほど出ていない割に、株価が高いことを示します。逆に、PERが低い企業は、利益が出ているにもかかわらず、株価があまり高くないことを示します。

基本的に、株価は1株あたり利益に比例する傾向があります。したがってPERが極端に高い銘柄は、買われすぎと判断することができ、あまり買うべきではありません。

一方PERが低すぎる銘柄は、十分に評価されていないと考えられ、正しく評価されれば株価が上昇することが期待できます。したがって、PERが低い銘柄は買いの候補になります。

ただ、「PERが何倍以上なら買われすぎ」といった明確な基準はありません。以下のような見方をすることが多いです。

同業他社と比較する
まず、同じ業種の中で他社とPERを比較してみて、高すぎる会社は株価が上がりすぎている、と判断するのが一般的です。例えば、ある業種のPERの平均が20倍の時に、その業種でPERが50倍の企業があれば、その企業の株価は高すぎるというように判断します。

過去のPERの水準と比較する
その企業のPERが過去にどのような範囲で推移してきたかを調べて、それとその現在のPERとを比較して、株価の高低を判断する方法もあります。

例えば、ある企業の過去のPERを調べてみると、おおむね20〜40倍で上下していたとします。この場合、PERが40倍近くまで上がっていれば、そろそろ高値が近づいていて売りではないか、というような判断をすることができます。

逆に、PERが20倍近くまで下がっていれば、そろそろ底値が近いので買いを検討する、といったことができます。

市場平均と比較する
日本企業のPERの全体的な傾向として、高低を判断することもあります。例えば、東証一部上場の企業の場合、PERは20倍前後ぐらいのところが多くなっています。

「成長中でPERが低い企業」が狙い目
ただ、「PERが低ければ買いで、高ければ買わない」と単純に判断できるかというと、そうではありません。

まず、現在成長中の企業の場合、今の利益はそれほどでなくても、将来への期待によって株式が買われると、株価がかなり上昇してPERが高くなります。そのような企業であれば、成長が続けば利益が株価に追いつき、PERも妥当な値になると考えられるので、PERが少々高めでも投資対象に入れても良いでしょう。

一方成熟した企業の場合、そこそこ利益が出ていても、さらに利益が伸びることはあまり期待できません。そのような将来性の薄い企業の株式はあまり人気にならないので、株価が安いままで放置されて、PERも低くなりがちです。

一番よさそうなのは、成長中で売上や利益が伸びているのに、PERがあまり高くない企業でしょう。 このような企業なら、みんなが注目するようになると株価が大きく伸びることが期待できます。(図1)

特に、市場全体の雰囲気が悪いと成長中の企業であっても株価が下がってしまうことがよくあります。そのような時に買えば、その後に大きく株価が上昇することが期待できるので狙い目です。

ただし、期待したほどに業績が伸びなかった場合、失望売りから株価が急落することもあり、株価のブレが大きくなる傾向がありますので、その点には注意が必要です。

図1.成長中でPERが低い企業が狙い目
成長中でPERが低い企業が狙い目

株価とPERの関係の例
株価とPERの関係の例として、ユニクロでおなじみのファーストリテイリング(9983)を見てみましょう。ファーストリテイリングは1999年〜2000年頃のネットバブルの頃に株価が暴騰し、1年強で40倍近くになりました。

それ以前から成長が続いていて利益も良かったのですが、ネットバブル以前は市場環境が悪かったことや、まだ知名度があまり高くなかったことから、株価が低くPERも低いままの状態でした。しかし、成長が高いことが知られてきたことや、ネットバブルの環境などが重なって、株価が大きく伸びるという結果になりました。

その後、2002年〜2003年にかけて業績が落ち込むと、株価も大きく下がりましたが、売上や利益が上がりだすと、株価も上がりだしています(画像1)。

ファーストリテイリングのように、株価が何十倍にもなることはめったにありません。ただ、2〜3倍程度になることなら十分にありますので、「成長中で低PERの企業」はチェックしておくと良いでしょう。

画像1.ファーストリテイリングの株価の推移
ファーストリテイリングの株価の推移
                                          経営効率の良い銘柄を選ぶはこちらへ
 
目次
第一章 「買える株」「買えない株」を見極める
ファンダメンタル分析とテクニカル分析
会社四季報の基本的な見方
売上や利益の伸びている銘柄を選ぶ
財務の悪い銘柄は買わない
成長中で株価収益率(PER)が狙い目
経営効率の良い銘柄を選ぶ
株価純資産倍率(PBR)も目安にする
買収ターゲットになりそうな銘柄を探す
さまざまな要因を考慮して銘柄を選ぶ
スクリーニングで良い銘柄を見つける

第二章 株価チャートの基本をマスターする
株価チャートの見方
一本のローソク足の意味とタイミング
複数本のローソク足の組み合わせと売買タイミング
株価と出来高の関係
株価の傾向(トレンド)と抵抗線/支持線
株価チャートのパターン

第三章 移動平均線を使いこなして売買タイミングを読む
移動平均線はテクニカル分析の基本
グランビルの法則で売買タイミングを読む
ゴールデンクロスとデッドクロスは参考程度
移動平均の最適な計算時間を選ぶ
株価と移動平均線との離れ具合

第四章 着実に賢く儲ける基本戦術
「リスク」をなるべく軽減する
株式ポートファリオを組む
勝ち負けの差を小さくする
トレンドに沿って売買する
値動きの良い銘柄を選ぶ
短期売買と長期投資のどちらが良い
得意な銘柄を作る
損切りできない人は儲けられない
逆指値を使いこなそう
税金対策を考えてみよう
リバウンド狙いの短期勝負
 
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