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第四章 着実に賢く儲ける基本戦術
 

トレンドに沿って売買する
株式投資で儲ける方法の中で、最もシンプルなものは「トレンドに沿って売買する」ということです。

順張り/逆張りとナンピン買い
投資のスタンスを表す言葉として、「順張り」と「逆張り」の2つがあります。

順張りは、対象の商品が値上がりしている時に買い、値下がりしたら売るという方法です(図1)。株価の方向に沿って売買しようという考え方で、素直な方法だと言えるでしょう。一方逆張りは、対象の商品が値下がりしている時に買い、値段が底から上がっていく過程で売る方法です(図2)。

また、逆張りでは株価が下がる過程で買うので、最初に買った時より株価がさらに値下がりすることも当然出てきます。この時には、追加で買いを入れて平均単価を下げるようにすることもあります。このような買い方を「ナンピン(難平)買い」と呼びます。

例えば、株価が500円の時に1,000株買って、その後に400円に値下がりした時点で1,000株ナンピン買いしたとすると、平均の450円で2,000株買ったのと同じことになります。


図1.順張り
順張り

図2.逆張り
逆張り

基本は順張りから考える
では、順張りと逆張りのどちらを行えばよいのでしょうか?これは人によって意見が分かれるところですが、基本的には順張りをお勧めします。

順張りはトレンドに沿って売買する方法であり、失敗する率は低くなります。ただ、ある程度株価が上昇してから買うことになりますので、利益はそれほど大きくならない傾向があります。

一方の逆張りは、トレンドの逆をいく売買法です。そのため、順張りよりも失敗する率が高くなります。ただ、うまくいけば底値に近いところで買うことができますので、成功した時の利益は大きくなります。

「利益が大きい」という点に注目すると、逆張りは良さそうに見えます。しかし、失敗が多くなると、最終的な利益はあまり上がりません。

特に、資産があまりない方は、順張りでないと無理があります。逆張りではナンビン買いを併用することがありますが、そのためにはかなりの資金を用意することが必要です。分散投資しつつ、ナンビン買いもこなそうとすれば、少なくとも数百万はないと売買できないでしょう。

長期的なトレンドを考える
売買タイミング を考える前に、まずその銘柄が投資に適しているかどうかを判断することが必要です。ファンダメンタル面からの分析も必要ですが、長期的な株価のトレンドを見ることも重要です。

長期的に見て株価が下落トレンドになっている場合、その銘柄を買ったとしても、値上がりはあまり期待できないと予想されます。そのような銘柄は、基本的には、そのトレンドが崩れるまでは、投資対象として非常に適していると考えられます。

長期的なトレンドを見るには、月足チャートが適しています。10年程度の月足チャートを見て、トレンドラインを引いてみると良いでしょう。

画面1はキャノン(7751)の1990年〜2006年の月足チャートです。上がり下がりの波はありますが、全体的に見れば1995年頃から上昇トレンドを描いていることがわかります。こういった銘柄こそ、投資に適していると言えるでしょう。

画面1.キャノン(7751)の1990年〜2006年の月足チャート
キャノン(7751)の1990年〜2006年の月足チャート

銘柄によっては逆張りもある
逆張りで失敗すると手痛い損失を負います。そのため、前述したように、基本的には順張りがお勧めです。ただ、銘柄によっては逆張りでもうまくいくものもあります。

どのような銘柄かというと、業績が安定していて、株価がボックス圏の動きをしているものとなります。成熟して成長性があまりない企業では、株価がボックス圏の動きをすることがあります。

この場合、株価が下がってきてボックスの底に近づいたら買い、上昇してボックスの天井に近づいたら売る、という手法をとることができます。底と天井がある程度予測できるだけに、安心して売買することができます。

このような銘柄の例として、東京電力(9501)をあげておきます。電力株といえば、安定性が高くて配当をもらうための銘柄という感じがしますが、実際、東京電力の株価はここ数年の間2,000円〜3,000円程度のボックス圏で推移しており、安定性が高いと言えます。

これなら、2,000円に近づいた時に買い、3,000円近くになれば売るという戦略が取れます。また、1株あたりの配当が年間60円あり、配当利回りも2%強ですので、低金利時代に預貯金代わりに待つというものも良いでしょう。

2005年後半に入って市場全体が急上昇したため、ここ数年のボックス圏から株価が上に抜けた銘柄も多くなり、逆張りに適した銘柄は少なくなりました。

ただ、まったくなくなったわけではなく、探せばまだあります。市販のチャートブックを最初から順に見ていけば、そのような銘柄を見つけることができるでしょう。電力株以外にいくつか例をあげておくと、表1のようになります。

ただ、逆張りで買ったものの、株価がボックスの底より下がってしまった場合は、株価の動きに変化が生じたと考えられますので、損切りして他の銘柄を探すようにします。

画面2.株価がボックス圏の動きをしている銘柄の例(東京電力の1997年〜2005年の月足)
株価がボックス圏の動きをしている銘柄の例(東京電力の1997年〜2005年の月足)

表1.株価がボックス圏の動きをしている銘柄の例
銘柄(証券コード)
ボックスの下限
ボックスの上限
味の素(2802)
1,000円〜1,100円
1,400円〜1,500円
王子製紙(3861)
400円〜500円
600円〜700円
リコー(7752)
1,500円〜1,700円
2,400円〜2,600年
ユニー(8270)
1,000円前後
1,400円〜1,500円
日本通運(9062)
400円〜450円
600円〜700円

                                          値動きの良い銘柄を選ぶはこちらへ
 
目次
第一章 「買える株」「買えない株」を見極める
ファンダメンタル分析とテクニカル分析
会社四季報の基本的な見方
売上や利益の伸びている銘柄を選ぶ
財務の悪い銘柄は買わない
成長中で株価収益率(PER)が狙い目
経営効率の良い銘柄を選ぶ
株価純資産倍率(PBR)も目安にする
買収ターゲットになりそうな銘柄を探す
さまざまな要因を考慮して銘柄を選ぶ
スクリーニングで良い銘柄を見つける

第二章 株価チャートの基本をマスターする
株価チャートの見方
一本のローソク足の意味とタイミング
複数本のローソク足の組み合わせと売買タイミング
株価と出来高の関係
株価の傾向(トレンド)と抵抗線/支持線
株価チャートのパターン

第三章 移動平均線を使いこなして売買タイミングを読む
移動平均線はテクニカル分析の基本
グランビルの法則で売買タイミングを読む
ゴールデンクロスとデッドクロスは参考程度
移動平均の最適な計算時間を選ぶ
株価と移動平均線との離れ具合

第四章 着実に賢く儲ける基本戦術
「リスク」をなるべく軽減する
株式ポートファリオを組む
勝ち負けの差を小さくする
トレンドに沿って売買する
値動きの良い銘柄を選ぶ
短期売買と長期投資のどちらが良い
得意な銘柄を作る
損切りできない人は儲けられない
逆指値を使いこなそう
税金対策を考えてみよう
リバウンド狙いの短期勝負

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